手前味噌とは、自分の家で作った味噌を自慢することから、自画自賛の意味で使われる言葉ですが、昔はそれぞれの家庭で愛情をこめた自慢の味噌を仕込んでいたことが、こんなところからもうかがえます。
日本人が古来から食べ続けてきた発酵食品「味噌」は、いまや世界でも醤油に続く有名な調味料となってきました。味噌は大地のお肉といわれる「大豆」を原料としています。ゆびっこくらぶがご提案する味噌は、原材料の大豆、麹(こうじ)は全て無農薬栽培のものです。調味料の「塩」は焼き塩を使用します。
味噌の力は、さまざまに紹介されていますが、腸内に入ってから腐敗菌や有害物質を対外へ排出するという「毒出し」の役割も担っており、実に理にかなった食品なのです。近年、市販の味噌は加熱処理されており、「味噌」でありながら、その味噌の力を発揮できない、味わうための「味噌」もありますので、心をこめた自家製の味噌をぜひお作り下さい。一度作った味噌は、何年も熟成し「地味噌」といわれる発酵度の高い味噌としていつまでも食べられます。
材料
これで約6~8Kgのおいしい米みそができます。
- 大豆 1.5kg(国産無農薬大豆)
- 米こうじ 3kg(生こうじ)
- 焼塩 800g(手作りの焼塩と海の華の焼塩)
生こうじは届いたらすぐに塩をまぜておく。(塩きり)
用意する道具
- 容器(味噌を詰めるためのカメやタッパー、熱湯消毒)
- 大鍋(大豆を煮る)
- すり鉢
- すりこ木
- ポテトマッシャーか空き瓶(大豆をつぶす、瓶底は平らのもの)
- 大きなボールか鍋(大豆とこうじを混ぜる、漬物用の大きなビニール袋で代用可)
- ざる
- お玉
- ラップ
- 塩フタ用の天然塩(使用後は漬物などに再利用)
- サワラの木(醗酵を促す、厚さ・幅1cm以上・長さ50cm以上がよい)
サワラの木はホームセンターやハンズのような材木を扱うお店で余り木が手に入ります。
準備 その1
生こうじの一粒一粒をバラバラにするつもりで手でよくほぐす。そこに分量の塩を入れて手ですりあわせるようによく混ぜる。(塩きり)
準備 その2
大豆をきれいに洗って、たっぷりの水(大豆の4倍くらい)に一昼夜つけておく。
手順 その1
大きな鍋に新しい水をたっぷり入れて、5~6時間中火~弱火で煮る。ぶきこぼれるので、気をつけながら煮る。泡のようなアクが出てくるので、取りながら焦げ付かないように足し水を度々しながらやわらかくなるまで時間をかけて煮る。(指先でおしてすぐつぶれるくらい。)
その2
手順 その2
やわらかく煮た大豆をざるにあけて汁を切る。この煮汁は後で使うのでとっておく。
手順 その3
ざるにあけた大豆を大きな容器に入れ、温かいうちにつぶす。マッシュポテトを作る要領。つぶのある味噌が好きな人はつぶが残る程度に大豆をつぶし、なめらかな味噌が好きな人は大豆をきれいにつぶす。ミキサーは使用しない。すり鉢、すりこ木がきれにできる。
手順 その4
つぶした大豆に米こうじを入れ、ざっくり混ぜる。そして、とっておいた大豆の煮汁を入れながらハンバーグくらいのやわらかさにする。
煮汁を入れすぎてやわらかくなりすぎないように注意!(水っぽい味噌になる)
その4
手順 その5
まぜたものを丸めて容器の底に打ちつけるように入れ、空気が入らないように詰めていく。
隙間があるとカビやすくなる!
その6
手順 その6
表面を平らにしてラップを貼り付け、その上に塩を2cm敷き詰め、塩のフタをする。(塩を袋にいれてもよい。)室内の温度変化が少なく陽の当たらない涼しい場所でサワラの木をそばに置いて保管する。
容器の内側についた味噌はきれいにふくこと!
その7
手順 その7
1~3ヶ月たって、味噌の香りが強くなってきた頃、天地返しをする。ラップごと塩フタを取り、しゃもじで底から全体を混ぜ、たまり(水分)などを均等にする。しっかり押さえて詰めなおし、ラップを変えて再び塩フタをする。
かき混ぜる時に味噌に話しかけましょう!どんな味が味見もしましょう!
完成
食べごろは、夏以降、味をみて塩がなれてきたら食べごろです。気温が高くなり、ぐんぐん醗酵が進んでいくようでしたら、冷蔵庫に入れて醗酵を止めます。この味噌は、普通の味噌より少量で野菜の旨味を引き出してくれます。パンに塗ったり、玄米ご飯にのせたり、味噌そのものがとても美味しいです。